いじめ防止基本方針

滋賀県長浜市立びわ中学校

1.いじめ防止等についての基本的な考え

いじめは、理由の如何にかかわらず「人間として絶対に許されない行為」であり、全教職員が自分の課題として切実に受けとめ、徹底して取り組む重要課題である。しかしながら、その本質は表面しにくく、根の部分に関わりにくいものである。
そのため、学校として未然防止と早期発見・早期対応にむけ組織的に取り組むことが大切である。

(1)いじめの定義

児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの。

(2)いじめの特徴

[1]いじめはもともと見つけづらい特性があり、事実認定が難しい。
  • 加害者が認めない場合や、直接行動せず、指図のみの場合がある。
  • 被害者が気づいていない、気づいても認めたくない。認めても声に出せない(相談できない)ことがある。
  • 多くの人が見ていても、様々な関係性の中で、なかなか認識が一致しない。
  • 「ふざけていただけ」などの「言い訳」としてのトリックが存在し、見えづらくするための仕掛けが存在する。
  • 出来事の認識は不可欠であるが、その積み上げだけではいじめがあったと判断するのは難しい。
[2]いじめはお互いの人間関係から生じる「関係性の病理」である。
  • いじめは「行為」だけでなく、どのような人間関係にあるかによって、意味や程度に違いがある。
  • お互いの力関係のアンバランスによって生じるものである。
  • 誰もが被害になり加害にもなり得る流動的なものである。
  • 教師の発言が、力関係のアンバランスを誘発することがある。
  • 関係性が生じる場面は「日常」であるが、近年子どもにとっての「日常」が学校である割合が高くなってきている。
[3]いじめは第三者に打ち明けたり、訴えたりしづらく、心身に多大の影響を与える。
  • 周りの人から責められることで、いじめられた本人が「自分が悪い」と思う気持ちになったり、いじめを認めること自体が心の傷になる。
  • これはいじめではない(いじめられていない)と自分自身で思うことで、心のバランスを保っていることがある。
  • 自尊感情がひどく傷つく。
  • 身近な人だからこそ、かえって相談できない場合がある。

(3)いじめに対する基本的な姿勢

[1]いじめは重大な人権侵害であり、かつ命に関わる問題であるので、絶対に許されるものではないという強い姿勢をもつ。
  • いじめは、いじめられた子どもの心を深く傷つけるものである。家庭でも、学校でも、地域でも「いじめは決して許されるものではない」という強い思いのもと、子どもたちが安心して相談し、安心して暮らせる環境を社会全体でつくることが大切である。
  • 自分の命や人の命を大切にすることを日々の関わりの中から伝えることが大切である。
[2]どの学校でも、どの子にも起こりうるものであるという危機意識をもつ。
  • 「自分の子どもは大丈夫」や「自分のクラスは大丈夫」という大人の思いこみは、子どもの些細なサインを見逃すことになる。いじめられている子どもは、周りに余計な心配をかけないために、身近な人ほど自分が苦しんでいることを見せまいと一生懸命ふるまうものである。このため、日頃から「ひょっとしていじめられているかも」という危機意識を持つことが大切である。
人間的なふれあいを大切にしながら共感的な生徒理解に努め、生
徒の自主的・意欲的活動を重視する生徒指導をおこなう

重点目標

  • 談の推進を図る
  • 広報活動を通じての家庭・地域・関係諸機関との連携を強化する
  • 問題行動発生時の対応を整え、学年間・関係諸機関との連携を図る
  • つなぎの生徒指導を推進する
  • 積極的でぬくもりのある生徒指導を推進する

2.未然に防止するための取り組み

(1)相談活動を充実させ、いじめなどの生徒の悩みを解決できるように努力する

  • 定期的、日常的な教育相談活動を積極的にすすめる。
  • 積極的に生徒理解に努め、問題の早期発見、早期解決に努める。
  • 生徒とふれあう時間の確保に努め、悩みを持った生徒がいつでも相談できるような体制づくりをする。(校長、養護教諭、SCとの相談)

(2)家庭・地域・関係諸機関との連携を強化する

  • 緻密な家庭との連絡をはかる。
  • 「学校だより」、「学年通信」、「諸通信」等、広報活動を通じて連携をはかる。
  • 小.中の連携をはかる。
  • 関係機関(子ども家庭相談センター・青少年センタ-・生活安全課・心の教育相談センタ-・市教委・家庭裁判所等)、地域の関係諸団体との連携を強化する。

(3)「命」を大切にする指導を行う。

  • 生徒との「心の交流」をつくる。
  • 小さな変化を見逃さない。
  • 「命」の大切さをあらゆる場面で指導する。(毎月12日『いのちの日』)

年間計画

※毎月12日を『いのちの日』と位置づけ、生徒一人ひとりが自他のいのちの大切さを考える
時間を設定する。

月別目標 生徒指導の重点事項
新たな気持ちでけじめある生活をしよう ・指導目標、努力点の設定
・生徒手帳の配布
・オリエンテ-ション1年
・生徒名簿の作成
・生徒写真の作成
・登校指導・通学方法・交通安全指導
・貴重品の取り扱い指導
・生徒指導の確認・修学旅行と生徒指導
・部活動正式入部と部活指導
・連休指導
きまりを守り規則正しい生活をしよう ・交通安全指導
・生徒大会に向けての指導
・春季総体に向けての指導
・中間テストに向けての学習指導
・マキノ自然教室と生徒指導
学習環境を整え校内の美化に努めよう ・教育相談旬間 ・アンケート調査

美化指導
・トイレボランティア
・夏の健康指導
・期末テストに向けての指導
自らすすんで心身を 鍛えよう ・夏季総体に向けての指導
・夏休みに向けての指導(計画、諸注意)
・期末保護者会・街頭補導
・1学期の反省
暑さに負けず目標を定め計画的な生活を 送ろう ・休み中の生徒指導(ハガキ、訪問、電話等)
・サマ-スク-ル(質問教室)
・生徒指導研修会・部活指導
生活のリズムを確立し進んで集団生活に参加しよう ・学校生活の点検活動・アンケート調査
・体育大会に向けての指導
(学級指導・生徒会・部活指導)
・登校指導
10 心身を鍛え、意欲的に行動しよう ・文化祭に向けての指導
・秋季総体に向けての指導
・中間テストに向けての指導
・合唱祭に向けての指導
11 互いに協力し合い集団生活の意義を考えよう ・教育相談旬間
・ボランティア活動(地域清掃)
・期末テストに向けての指導
・新生徒会役員選出に向けた指導
・進路説明会、進路相談
12 自分の生活を見直し自らを高めよう ・人権に関する指導・点検活動
・2学期の反省
・冬休みに向けての指導・三者懇談会
決意を新たにし計画を立てて生活しよう ・街頭補導・登校指導
・入学説明会・県内私立入試
・点検活動
有終の美を飾ろう
学習・生活・体力づくり
・冬の健康指導
・2年保護者説明会
・県内外私立入試
・期末テストに向けての指導
1年間を反省し次年度の計画をたてよう ・公立高校入試
・卒業式に向けての指導
・小中連絡会・クラス分け準備
・1年間の反省・春休みに向けての指導

3.早期発見のための取り組み

(1)きめ細かな生徒観察

*授業時間の見守り・・・
気がついたことは、「かくさず」「すぐに」、学年担当・
学級担任・生徒指導主事・管理職に連絡する。
*休み時間の見守り・・・
従来通り、授業者は数分前に教室へ、授業が終わればす
ぐに職員室に戻らず廊下等で観察する。
*昼休みの見守り・・・
子どもたちのサインが一番でやすい時間帯。できるだけ
子どもの近くに。簡単な相談活動。
*部活動での見守り・・・
顧問は、気がついたことは、「かくさず」「すぐに」
学年担当・学級担任・生徒指導主事・管理職に。欠席者の確認、連絡等

(2)じぶんログ(連絡ノート)の有効活用

生活ノート(児童・生徒連絡帳)は、子どもたちや保護者と担任との「大切なこころのかけはし」になっている。担任を中心にていねいに目をとおし、子どもたちのつぶやきを受け止めるこが肝要である。気になることがあれば、「すぐに」学年担当・生徒指導・管理職に報告・連絡する。

(3)教育相談の充実~アンケートの実施

定期的な教育相談(原則として1学期2回、2学期2回、3学期1回)の充実をはかる。
事前生活実態調査や悩みアンケートを実施し、相談活動が有効に行われるよう配慮する。

4.早期解決に向けた取り組み

基本的な構え

  • 生命に関わる問題は、最優先で総力をあげて厳しく対処する。
  • 暴力や差別に対しては、教師も生徒も一体となって厳しい姿勢でのぞむ。
  • 内容によっては、緊急職員会議や全校・学年集会を持ち、必要に応じて関係機関へ連絡して協力を得る。
  • 家庭訪問は、複数で行く。
  • 必ず学年で指導内容をまとめ、できるだけ早い時期に全職員に伝える。

いじめ

訴え・発見→ 調査→ 報告→ 指導・説諭→ 保護者への連絡 来校・家庭訪問

(観察による事実の把握)

  • いじめが発生したときは家庭との連携を密にし、一致協力してその解決にあたる。
  • 個々の行為がいじめにあたるか否かの判断は、表面的・形式的に行う事なくいじめられた生徒の立場に立って行うようにする。ただし、事情を聞くにあったては十分留意するようにする。
  • 担任ひとりで解決しようとせず組織的な取り組みを行う。
    学年部会→ 生徒指導部会等→ 臨時職員会議等
  • 保護者に事実の説明と指導の方針を理解していただき協力して頂く。
  • 双方の生徒に対して卒業するまで継続して関わり記録を残す。
  • 生徒との触れ合いを大切にし、教育相談の充実を図る。
  • 生徒指導委員会との連携を図る。

【組織的な対応・取組】

※早期発見・早期対応の原則のもと、マニュアルに基づいて組織的な対応を進める

  • 生徒指導委員会が中核となり、基本方針・対応・指導方法等の検討をおこなう。
  • 方針に従い、学校としての毅然とした指導をおこなう。
  • 生徒・保護者の思いを受容し、誠意を持って指導にあたる。

(1)いじめについて

  • お互いが認め助け合えるような学級集団づくりをめざす。
  • いじめ等の早期発見・解決を図るために、常日頃の学級内での接触を大切にすると共に教育相談活動を充実させる。
  • 全教師がいじめ問題の重要性を認識し、年間を通じ道徳・人権・教科学習において指導する。
  • 学校にいじめがあり得るとの問題意識の下、徹底して実態把握に努める。
    また、生徒・保護者からの訴えはもちろんのことその兆候など危険信号は、どんな些細な事でも真剣に受けとめ速やかに対応や解決にあたる。
  • いじめが解決したと見られる場合でも、当該生徒が卒業するまで継続して十分な注意を払うようにする。

(2)いじめられた側の立場になって、子どもの「つらさ」を共感的に受け止める

  • いじめられた子どもは誰にも相談できず、非常につらい思いをしている。そのため、子どもの被害感があれば、いじめの「事実」ととらえ、丁寧に対応する。まず、子どもの気持ちに寄り添って「つらかったね」「気づかなくてごめんね」「よく相談してくれたね」といったメッセージを送り、子どもの声にじっくりと耳を傾ける。
  • 子どもたちが、この人なら話しても大丈夫と思えるような人間関係を日頃から構築する。

(3)迅速かつ組織的に対応する

  • いじめられたこどもにとっては、一日一日が非常に長くつらい時間である。
    そのため相談をうけた時や発覚した段階では既に深刻な状態であることを理解して対応に当たる。
  • いじめへの対応については、未然防止をふくめ、学校における組織的な対応が必要である。いじめの原因や背景には様々な要因が考えられるから、一人の目だけでは正しい子ども理解はできない。できるだけ多くの人から情報を収集することが大切である。

(4)加害者への適切な指導で再発を防ぐ

  • いじめは加害行為を止めなければ解決にはならない。いじめている子どもも、いじめていることで心のバランスを保っている。解決のために謝罪させたり、握手させたりする指導も重要であるが、まずは、いじめをしてしまった子どもが何に悩んでいるのかその原因や背景を理解することである。じっくりと話を
    聞き、子どもの抱える「しんどさ」を理解した上で、「だめなことはだめ」と教える。

5.校内組織

生徒指導委員会【校長、教頭、教務、学年主任、生指、養教、学習支援コーディネーター】

◆情報交換
◆協議(校則等)
◆全校レベルの問題行動に対する方針検討

生徒指導部会【学年主任、生指、担任】

◆情報交換
◆協議(日常生活)
◆全校レベルの問題行動に対する対処

教育相談委員会【校長、教頭、教相主任、養教、SC、生指、学年主任、特別支援、不登校対策コーディネーター】

◆情報交換
◆協議(関係機関との連携・個々の事例検討と対応)

拡大生徒指導委員会【生徒指導委員会メンバー+ 教育相談委員会メンバー】

◆情報交換
◆協議(教育相談委員会と同等、定期開催

いじめ対策委員会(緊急いじめ対策委員会)
【校長、教頭、生指、学年主任、担任(旧担任)および学年所属、養教、※ 】

※ 必要に応じて、部活動顧問、SC、PTA会長、PTA生指、外部専門家を招集

◆情報交換といじめ防止◆重大事態発生時の対策◆安全対策